BIG FISH
2004年 09月 24日
前々から観たい観たいと思っていたティム・バートン監督"ビッグフィッシュ"を昨日やっと観た。
あまりにも幻想的で、でも現実的で。
エンドロールの瞬間、涙が出てきた。
人生はドラマチックな方が面白いに決まってる。
だからって、ドラマティックにするためにあえて事件を起こす必要はないんだけどね。
でも、お父さんの話のどこまでが「尾ひれ」でも、もう関係ないくらい素敵なおとぎ話でした。
ファイヤーキングのジェダイのマグがさりげなく登場しているのもちょっと嬉しかった。
さてさて、どこかな?
ちょっと状況は違う話なんだけど、
3年前に祖父を亡くしたとき、遺品の整理していたら昔の日記帳が沢山出てきた。
分厚いノートに何十冊も、何十年分も。亡くなる当日まで。
とてもマメで、いつも字を書いている人だったので、そういうものが出て来てもちっとも不思議じゃなかったんだけど。
私が小学生のとき、「おじいちゃん」とおばあちゃんが突然東京から田舎にやってきて、同居生活を始めた。
今考えるとそれがおじいちゃんの「定年」だったんだけど、私はそれ以降のおじいちゃんしか知らないでいた。
日記を読んでいると、三鷹の駅近くの馴染みの喫茶店でコーヒーを飲んでいるおじいちゃんや会社の大きなデスクでちょっと偉そうに新聞読んでるおじいちゃんの姿があった。
ウチの弟が生まれた日には、孫に初めて男の子が生まれて素直に喜んでいる様子も。
日記の中で、東京を離れて、島根の実家へ。
ここで、私の記憶とおじいちゃんの生活が重なるんだけど、その前の数十冊分、私はなんにも知らなかったなぁ。
とぼんやり考えたものだ。
その後の生活だって知らないことはいっぱいあった。
一緒に住んでいた子供の頃は、昔の人の思想についていけず「頑固じじい」だと反発心まで持っていたくらいだから。
ゆっくり話をすることなんて全くなかったな。
頑固じじいのおじいちゃんは、おばあちゃんが先に死んで、火葬場で火の中に入っていくとき、初めて声を出して泣いた。
その日の日記は人生で一番悲しい日だった。とあった。
その「人生」という文字にやけに重みを感じたものです。
「人生」を終えた人の語る「人生」なんだから。
そういえば、夕飯のとき、ときどき話してくれた戦時中の話も、今考えたらすごかった。
軍隊で結構出世したおじいちゃんは、戦時中だというのに、夕飯に刺身を食べていたとか、
終戦の日、今の市ヶ谷駐屯地にいたおじいちゃんは、ポツダム宣言受諾を知らせるラジオ放送を聞いて、目の前で上司(?)が切腹し、血の海となったとか。
でも、話を突っ込んで聞いたわけじゃないので、それ以上のことは何も知らない。
もっといろいろ聞いておけばよかったなぁ。
私がもともと苦手なタイプの人間に、顔を合わせるたびに「過去の恋愛話」ばかり口にする(というか、それ以外ネタがない)輩というのがいるのだけど、過去がなんぼのもんじゃい、大事なのは今じゃ!と思う反面、
やっぱり人に歴史あり。人生あり。
で身近な大切な人の過去って知っておきたいものだなぁ。とつくづく思うのでした。
本当にコーヒー好きだったね、おじいちゃん。
なんて、故人を偲んでいたら、そういえば、昨日はお彼岸。
不思議なものですね。
by mew2_jp | 2004-09-24 11:44 | MOVIE